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『HED MAYNER 』、イスラエル初のLVMHプライズ獲得するのではないだろうか。


少し前の事にはなるが、「LVMH Prize for Young Fashion Designers 2019(以下、LVMHプライズ)」のファイナリストがパリ現地時間3月27日に発表され、「HED MAYNER」が選出された。グランプリは6月にパリのフォンダシオン ルイ・ヴィトン(Fondation Louis Vuitton)で発表される。


セミファイナリスト20組から選ばれたファイナリストは全8組。「HED MAYNER」のほか、「Bethany Williams」や「Bode」、「THEBE MAGUGU」などがノミネートされた。


■ファイナリスト 「ANREALAGE」Kunihiko Morinaga 「Bethany Williams」Bethany Williams 「Bode」Emily Adams Bode 「HED MAYNER」Hed Mayner 「KENNETH IZE」Kenneth Izedonmwen 「PHIPPS」Spencer Phipps 「Stefan Cooke」Stefan Cooke & Jake Burt 「THEBE MAGUGU」Thebe Magugu


今後、LVMHグループ傘下ブランドのトップデザイナーらで構成される審査委員によってグランプリが決定する。

過去の受賞者は、「MARINE SERRE」、「WALES BONNER」のなど。

ご存知の方も多いと思うが、昨年は「doublet」を手掛ける井野将之さんが日本人初のグランプリに輝いた。




ここからは個人的な予想になるが、グランプリを受賞するのは「HED MAYNER」が有力なのではないだろうか、、、


「HED MAYNER」は中東に強くインスパイアされたコレクションが印象的で、特徴でもある独特なオーバーサイズシルエットは、伝統的なユダヤのテーラーリングに影響を受けており、単なるデザインとしてのオーバーサイズではなくユダヤの伝統的なテーラリングに基づいる。伝統的なユダヤのテーラーリングとは、「身体の線を明らかにするというよりは、身体を包むという考え方」に則ったもの。ユダヤの伝統的なテーラーリングに現代的な感触を与えることで強さと脆さの両面をもつデザインを生み出すことが得意なブランドだ。


では、なぜ「HED MAYNER」が有力なのか。

その理由の一つとして挙げられるのが国際的な知名度は十分ではない事が挙げられる。

「HED MAYNER」は2015年からスタートしたまだまだ若手のブランドで、現在、やっと日本でもジワジワと知名度は上がってきているものの、世界的に見ると認知はまだまだ低いだろう。


LVMHプライズは「若手デザイナー向けの大規模な賞」である。ここで注目して頂きたいワードは、「若手デザイナー向け」というワードだ。ブランドのビジネス規模や実績がグランプリを獲得する上で大きな要素になっている。規模や実績がありすぎると、LVMHプライズでは不利になる。


実際、過去にも2016年グランプリの「WALES BONNER」、2017年グランプリの「Marine Serre」もその当時は規模が小さく、知名度も低かった。「Marine Serre」に至っては自宅でコレクション制作をしているという状況であった。

また、2015年にヴァージル・アブロー(Virgil Abloh) 、デムナ・ヴァザリア(Demna Gvasalia)がファイナリストに選出されたが、選ばれたのは彼らではなかった。その理由として挙げられるのは、ご存知の通り、彼らはその当時から世界的に人気があった。


上記に付け加えて、「HED MAYNER」はイスラエル発という点が大きいという風に筆者は捉える。

LVMHファイナリストにイスラエル人がノミネートされるのは史上初で、受賞のポイントになるのではないだろうか。


イスラエル発の「HED MAYNER」。グランプリを受賞して国際的なブランドへと成長してほしい!

 

「そもそもLVMHプライズとは?」

ルイ・ヴィトンをはじめとした多数の世界中の高級ブランドを傘下に収める世界最大の企業共同体として知られる「モエヘネシー・ルイヴィトン(Moet Hennessy - Louis Vuitton)=通称LVMH」クループが若手デザイナーなどの支援目的で2014年に創設した、「世界的なデザイナーが審査する、若手デザイナー向けの大規模な賞」といったような意味合いの賞。 ファイナリストが決定したというニュースや大賞受賞者が決定したというニュースが日本でも大きな話題となるため、創設したてながら、日本でも知名度が高く、世界的にも既にかなりの地位と受賞ステータスが獲得できる。






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